阿弥陀岳南稜遭難の誤報 ― 2018-04-02
■快晴
阿弥陀岳南稜の遭難について、「7人全員がロープでつながって滑落した」と報道されたのは間違いで、遭難パーティは2組に分かれて登っていたとの読売新聞の続報。
当初の報道では「3人が滑落し、続けて4人も滑落した」と伝えられていました。その後、病院に搬送された1人が医師に「7人はザイルでつながっていて、先頭の人が足を滑らせ、全員が滑落した」と証言したことから、各マスコミで「7人全員がロープでつながって・・・」というふうに報道されていました。
山岳遭難の報道が誤っていることはよくあります。この記事でも、最後の所で「15年にも学習院大山岳部の学生が雪崩で2人死亡・・・」は、雪崩ではなく「滑落」です。滑落した原因は現在も不明のままです。
もう1点、阿弥陀岳南稜は「毎年のように遭難事故が起こっている難所」というのも誤解を招く箇所でしょう。2014年以後、南稜では年1回ペースで事故が発生していますが、それ以前はほとんど事故は起こっていません。南稜はバリエーションの入門ルート(特に積雪期)で、しっかりとトレーニングされた人には危険なルートではありません。
*--
滑落「7人一緒ではない」、複数のザイル裏付け
2018/03/31-17:48 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180331-OYT1T50030.html
八ヶ岳連峰・阿弥陀岳あみだだけ(2805メートル)の山頂付近で7人が滑落し3人が死亡した事故で、滑落時に7人が数人ずつのグループに分かれてザイル(ロープ)でつながっていたことが30日、長野県警幹部への取材でわかった。
県警は7人が一緒に滑落した原因について調べているが、事故から1週間となる現在も詳細は明らかになっていない。
県警幹部によると、これまでの負傷者に対する聞き取りから、7人全員が数珠つなぎのようにザイルでつながっていたのではなく、数人ずつのグループに分かれていたことが、明らかになった。滑落現場に残っていた複数のザイルからも裏付けられたという。
7人は大阪府山岳連盟に所属する山岳会のメンバー。負傷者の1人は、搬送先の病院で医師に「7人はザイルでつながっていて、先頭の人が足を滑らせ、全員が滑落した」と説明していた。しかし、同山岳連盟幹部によると、7人が所属する山岳会の代表者は「7人全員がザイルでつながっていたのは間違いで、2グループに分かれて登っていた」と連絡してきたという。代表者は事故直後から県内に入り、負傷者から事情を聞いていた。
滑落が起きた南稜エリアの標高約2600メートル地点は下から数えて三つ目のピークのため、「P3」と呼ばれる。負傷者は「雪の壁を登っている途中で滑り落ちた」と県警に説明。諏訪地区山岳遭難防止対策協会の高橋政男山岳救助隊長によると、登っていたという雪壁は、仮に先行グループが滑落した場合、後続のグループがよけきれない危険性が高い。そのため、同時に複数グループでは登らず、先行グループが登り切るまで雪壁の入り口で待機するのが一般的だと指摘している。
南稜エリアは、毎年のように遭難事故が起きている難所。2017年2月には、早稲田大の登山サークルの学生1人が滑落し死亡する事故があったほか、15年にも学習院大山岳部の学生が雪崩で2人死亡する事故が発生した。
阿弥陀岳南稜の遭難について、「7人全員がロープでつながって滑落した」と報道されたのは間違いで、遭難パーティは2組に分かれて登っていたとの読売新聞の続報。
当初の報道では「3人が滑落し、続けて4人も滑落した」と伝えられていました。その後、病院に搬送された1人が医師に「7人はザイルでつながっていて、先頭の人が足を滑らせ、全員が滑落した」と証言したことから、各マスコミで「7人全員がロープでつながって・・・」というふうに報道されていました。
山岳遭難の報道が誤っていることはよくあります。この記事でも、最後の所で「15年にも学習院大山岳部の学生が雪崩で2人死亡・・・」は、雪崩ではなく「滑落」です。滑落した原因は現在も不明のままです。
もう1点、阿弥陀岳南稜は「毎年のように遭難事故が起こっている難所」というのも誤解を招く箇所でしょう。2014年以後、南稜では年1回ペースで事故が発生していますが、それ以前はほとんど事故は起こっていません。南稜はバリエーションの入門ルート(特に積雪期)で、しっかりとトレーニングされた人には危険なルートではありません。
*--
滑落「7人一緒ではない」、複数のザイル裏付け
2018/03/31-17:48 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180331-OYT1T50030.html
八ヶ岳連峰・阿弥陀岳あみだだけ(2805メートル)の山頂付近で7人が滑落し3人が死亡した事故で、滑落時に7人が数人ずつのグループに分かれてザイル(ロープ)でつながっていたことが30日、長野県警幹部への取材でわかった。
県警は7人が一緒に滑落した原因について調べているが、事故から1週間となる現在も詳細は明らかになっていない。
県警幹部によると、これまでの負傷者に対する聞き取りから、7人全員が数珠つなぎのようにザイルでつながっていたのではなく、数人ずつのグループに分かれていたことが、明らかになった。滑落現場に残っていた複数のザイルからも裏付けられたという。
7人は大阪府山岳連盟に所属する山岳会のメンバー。負傷者の1人は、搬送先の病院で医師に「7人はザイルでつながっていて、先頭の人が足を滑らせ、全員が滑落した」と説明していた。しかし、同山岳連盟幹部によると、7人が所属する山岳会の代表者は「7人全員がザイルでつながっていたのは間違いで、2グループに分かれて登っていた」と連絡してきたという。代表者は事故直後から県内に入り、負傷者から事情を聞いていた。
滑落が起きた南稜エリアの標高約2600メートル地点は下から数えて三つ目のピークのため、「P3」と呼ばれる。負傷者は「雪の壁を登っている途中で滑り落ちた」と県警に説明。諏訪地区山岳遭難防止対策協会の高橋政男山岳救助隊長によると、登っていたという雪壁は、仮に先行グループが滑落した場合、後続のグループがよけきれない危険性が高い。そのため、同時に複数グループでは登らず、先行グループが登り切るまで雪壁の入り口で待機するのが一般的だと指摘している。
南稜エリアは、毎年のように遭難事故が起きている難所。2017年2月には、早稲田大の登山サークルの学生1人が滑落し死亡する事故があったほか、15年にも学習院大山岳部の学生が雪崩で2人死亡する事故が発生した。
*--引用終わり
最近のコメント